
HUMAN SCIENCE
「ヒトらしさ」とは、何か?
本コースでは、生命が成立するための重力という物理的条件から出発し、時間の非対称性と粒度、脳の非対称構造とパリティ破れ、左右遅延に基づく感覚・情報処理を経て、行為の主体(エージェンシー)、量子的重ね合わせによる行為決定、運動の形成、そして行為が継続する仕組み、AI・ロボティクスが生み出す新たなヒトらしさへと至る一連の過程を学び、ヒトの存在への理解を深めていきます。
地球環境下という特異点で生きる生命が必然的に獲得した構造としての〈ヒトらしさ〉を、物理・生物・情報の連続体として捉え、その本質を徹底的に掘り下げていきます。
臨床・リハビリ・運動指導が行き詰まるのは技術が足りないからではなく、扱っている対象(ヒト)を十分に理解していないから。
本講座は、技法を増やすためのものではありません。しかし、数多くの技術を裏付ける思考が獲得できるでしょう。
HUMAN SCIENCEはヒトをヒトとして扱うための、最も基礎的な理解を与えるコースとなっています。
生命の条件としての重力
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重力を「環境要因」ではなく生命成立の前提条件として捉える
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重力が姿勢・構造・エネルギー代謝に与える制約
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重力下でのみ成立する「行為」という概念
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Gravitational–Metabolic Viability Modelの概念
時間の非対称性
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不可逆過程としての時間、記憶
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時間が巻き戻ると、脳の代謝は爆増する
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生命システムにおける時間の矢の必然性
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熱力学的時間と行為時間の接続
時間の粒度(Temporal Granularity)
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なぜ神経系は時間を連続的に処理できないのか
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感覚・運動・判断における異なる時間スケール
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時間粒度を「能力」ではなく安定制御の条件として理解する
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最適な時間分解能が、脳の代謝を最適化している
空間処理のための脳の左右差
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空間が脳の分業を生む
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左右差の前に発生する左右分業
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全体処理と局所処理の分離
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左右差の進化的・発達的意味
パリティ破れが生む左右差
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身体の左右差を生むパリティ破れとは
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対称性の破れ(parity breaking)による基準系の成立
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脳が左右に分かれることが、行為決定を速やかにする
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からだの左右差は発生的左右差の現れ
左右遅延による感覚感度・情報処理
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半球間の情報処理時間は異なっている
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情報処理の時差が情報への感度を高めている
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感覚感度・注意・選択性の非対称性
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情報処理の時差と発達障害
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情報処理における時間差の機能的役割
意識の根源
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左右半球の情報処理の差が「自己」の基盤になる
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自己起因と外部起因の分離条件
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エージェンシーを意識の前提条件として捉える
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主体感はどこから立ち上がるのか
量子的重ね合わせによる行為
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行為が最初から一つに定まらない理由
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複数の行為候補・予測・誤差の重ね合わせ
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古典的行為からの脱却
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「選択」ではなく「収束」としての決定
運動の形成
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行為決定から運動制御への移行
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運動の習熟は再現性を高めることではない
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運動多様性の本質は冗長性の活用にある
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毎回運動が違っても、毎回同じ結果になる、という事
AI・ロボティクスとヒトらしさ
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今のやり方ではロボットは、ヒトにはなれない
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量子コンピューターは、ヒトの意思決定を模倣できるのか?
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オートアフェクションが生む錯覚
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ヒトらしさとは、何か?
ヒトらしさとは、何か
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ホミニンの脳、神経遅延、走速度
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ヒトにおける睡眠
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ヒト特有の構造とは?
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賢いのに、なぜ戦争をするのか?
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不合理の中に生まれるヒトらしさ
※受講方式: オンラインによる対面+課題提出 全30時間
受講料: ¥132,000
受講日程: 受講者と調整
